第63回グラミー賞の授賞式が日本時間3月15日に行われます。
アメリカの音楽界の祭典であり、豪華な出演者が揃うグラミー賞。日本で見る方法や、注目ポイントなどをまとめました。
<記事の主な内容>
・日本で見る方法は?
・ビリー・アイリッシュにテイラー・スウィフトなど豪華すぎる出演者
・BTS、念願の受賞なるか
・不信感示すアーティストたち。「永久ボイコット」宣言まで飛び出す
・ビヨンセ、ノミネート多くとも「冷遇」の過去
▼日本で見る方法は?
日本では、WOWOWがグラミー賞授賞式の模様を独占生中継。3月15日午前9時からWOWOWプライムおよびWOWOWオンデマンドで見ることができます。
カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されるグラミー賞。USA TODAYによると、2021年は新型コロナの影響を受け、感染対策をとりながら、アーティストのパフォーマンスは会場を分けて行われるそう。
司会はコメディアンのトレバー・ノアが務めます。
▼BTSやビリー・アイリッシュなど20組以上が登場
第63回グラミー賞授賞式には、パフォーマーとして20組以上のアーティストが集まります。
初の受賞に期待がかかるBTS、2020年のグラミー賞で史上最年少(当時18歳)で主要4部門受賞を含む5冠に輝いたビリー・アイリッシュ、主要部門含む6部門にノミネートされているテイラー・スウィフト、デュア・リパなど豪華出演者が揃いました。
出演者は以下の通り。
バッド・バニー、ブラック・ピューマズ、カーディ・B、BTS、ブランディ・カーライル、ダベイビー、ドージャ・キャット、ビリー・アイリッシュ、ミッキー・ガイトン、ハイム、ブリタニー・ハワード(アラバマ・シェイクス)、ミランダ・ランバート、リル・ベイビー 、デュア・リパ、クリス・マーティン(コールドプレイ)、ジョン・メイヤー、ミーガン・ジー・スタリオン、マレン・モリス、ポスト・マローン、ロディ・リッチ、ハリー・スタイルズ、テイラー・スウィフトなど
▼BTS、初の受賞なるか?
2021年の注目ポイントの一つは、韓国発のボーイズグループBTSが初のグラミー賞受賞なるか、ということ。
BTSは、ビルボードメインシングルチャート「HOT100」で1位を獲得した楽曲「Dynamite」が「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス」部門にノミネートされています。
2019年はプレゼンターに抜擢、2020年はラッパーのリル・ナズ・Xとコラボしパフォーマンスも披露しましたが、楽曲がノミネートされるのは今回が初めて。
「白人優位」と長年指摘されるグラミー賞。BTSが、数々の記録達成を果たし、社会的にも大きな影響を及ぼしているにもかかわらず、グラミー賞で音楽的な評価がされてこなかったことには、疑問を呈する声も多くありました。
同部門にはほかに、アメリカを代表する2人の女性歌手、レディー・ガガとアリアナ・グランデのコラボ曲や、テイラー・スウィフトとインディバンド、ボン・イヴェールのコラボ曲など競合が揃っています。
メンバーも目標として掲げてきたグラミー賞。受賞すれば大きな快挙達成となります。
【関連記事】BTSの「Dynamite」、グラミー賞ノミネートの快挙達成。アメリカでどう評価されたのか?
▼差別と選考の不透明性。不信を買うグラミー賞
世界で最も栄誉ある音楽賞と言われるグラミー賞。しかし近年では不信感を示すアーティストも少なくなく、その存在意義が危うくなり始めています。
主催者でもあり投票権を持つレコーディング・アカデミーの会員は1万以上いますが、2020年7月の発表によると、女性会員の割合はわずか26%、人種的・民族的マイノリティは25%と、大きな偏りが見られます。
2021年はジェンダーや人種における差別を理由に、ノミネートを辞退する者が相次いでいます。また、スーパーボウルのハーフタイムショーに出演したザ・ウィークエンドは、アルバム『After Hours』が大ヒットし高い評価を受けたにもかかわらず、グラミー賞では一部門にもノミネートされず「締め出し」をくらいました。
ザ・ウィークエンドは「グラミーは腐敗したままだ」「(選考の)透明性を担保する責任がある」などと厳しく批判。ザ・ウィークエンドの主張に賛同する者も多く、ドレイクやホールジーも抗議しています。
その後ザ・ウィークエンドは自ら「グラミー賞を永久ボイコットする」と宣言し、両者の溝はさらに深くなっています。
【関連記事】「グラミー賞を永久ボイコットする」人気歌手ザ・ウィークエンドが宣言。その理由とは?
▼2017年に受賞逃したビヨンセ。再び最多ノミネート
2021年、最多9部門でノミネートされているのはビヨンセ。グラミー賞におけるビヨンセといえば、2017年の第59回授賞式で、当時も9部門にノミネートされながらも、主要部門はすべて逃し、受賞は2部門のみにとどまりました。
その結果は波紋を呼び、黒人女性であるビヨンセを冷遇しているのではないかと、レコーディング・アカデミーに対し批判があがりました。当時、ビヨンセと受賞を争った歌手アデルすらも、壇上のスピーチで「ビヨンセが受賞すべきだった」と訴え、彼女の才能を称賛する一幕がありました。
ノミネート数こそ多いものの、主要部門においては冷遇されることも多いビヨンセ。今年こそは主要部門での受賞が期待されます。
グラミー賞が「白人優位」「男性優位」と指摘されるのは、アメリカの音楽産業において多様性が欠如していることの表れでもあります。混迷を極めるグラミー賞、2021年の授賞式はどんな祭典になるのでしょうか。
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