〈1918(大正7)年に富山県の“おかか”が起こした「米騒動」を基にした映画『大コメ騒動』。富山の貧しい漁師町で高騰するコメの価格に我慢が限界に達したおかか=母たちが立ち上がる姿を描き、富山出身の本木克英監督を筆頭に、作品には富山ゆかりのキャストが集結。おかかたちのリーダー・清んさのおばばを室井滋、おかかと対立する米商店の女将・とみを左時枝、妹・きみを柴田理恵が演じ、立川志の輔、西村まさ彦、内浦純一らも顔を揃える〉 柴田:今回、富山の先輩である左さんの妹を演じながら、「私たち、顔が似ているなぁ」と思って(笑い)。頬骨や鼻の形が似ているし、うちのおばちゃんと左さんがそっくりなんですよ。きっと富山でも同じ系統の顔なんでしょうね。映画では裕福で身なりの整ったきれいな役でしたが、自分の性としてはおかか側だと思います(笑い)。おかかだったら、清んさのおばばの手下のようなポジションをぜひやってみたかったなぁ。 本木:冨樫真さんが演じてくださった、おばばの腰巾着役ですね。 室井:もしその役だったら、おばばがいじめてやったんに(ニヤリ)。 柴田:わはは! でもその関係性に喜びを見出す手下って、実際にもいるじゃないですか。強いリーダーにいじめられながらもしっかりついていく感じ、富山にはありますよね。 室井:うん、うん。 本木:婦人会的な制度というか、女性のネットワークの存在は、ぼく自身も幼い頃から肌身に感じていました。 柴田:姉の店がやり玉に挙がって新聞片手に「ねぇちゃん、ねぇちゃん!」と駆け込むあたり、きみにも腰巾着の要素は少なからずありましたけど。でも、とみときみも、昔は清んさのおばばと一緒で貧乏だったんですよ。それなのにいいところへ嫁に行ったもんだから、まるで自分たちが元からいいところの人だったような言い方をしてるんです。それがまた庶民だなと思っちゃう。
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